智です、ごきげんよう。

菜の花が咲く頃になると、必ず思い出すことがある。
子どもの頃、もう小学生になってたかな?
椎茸の原木を置いている山におばあちゃんと二人で行った時、付近に菜の花が咲いていた。
その時、おばあちゃんが歌ってくれたのが「朧月夜」。

菜の花畠に 入り日薄れ
見渡す山の端 霞ふかし
春風そよふく 空を見れば
夕月かかりて にほひ淡し

当時は歌詞の意味がわかってはいなかったかもしれないけど、美しいメロディーが記憶に残って、1番だけだけどよく歌っていた。

少し大きくなって、確か小学校5年生の頃。
その年、子ども用のものではあるけど、はじめて「源氏物語」を読んだ。
「源氏物語」という古典があることは既に知っていて、ちょっと厚い本だけど読んでみようと。
その時以来、「源氏物語」はとても好きなんだけど、そこで覚えた「朧月夜にしくものぞなき」という言葉が好きで。
意味は「朧月夜にまさるものはない」って感じで、「照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の 朧月夜に しくものぞなき」という大江千里の和歌をベースにしたものなんですけど、とっても雅。

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先日、時々車で通るところに菜の花が咲いているのを見つけていたので、ベビーカーを押して見に行ってきた。
咲久楽もまた、そういえばママが「朧月夜」を歌ってたなぁとか思い出してくれるかな。
月を眺めて、「源氏物語」の「花宴」の帖を想起したりするんだろうか。
咲久楽と二人、植物を眺めながらそんな話を出来る日が楽しみだな、と帰り道考えた智でした。

それでは、またね~♪